光の教室

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プロフェッショナル 専門講座

空間照明デザイナー コース

*本コースは、光の教室-プロフェッショナル 照明理論講座を修了した方を対象としております。
そのため、一般募集はしておりません。


あなたの照明デザインにはストーリーがありますか?
この講座では、光のストーリーをどのようにつくり、それをどのような光で表現し伝えるのかを学びます。

ストーリーといっても、思いつきや勝手なイメージでつくるのではありません。
デザインの背景や意図、つまり、その空間が誰にどのように使われるのか(背景)、それにはどのような効果や機能を付加するのか(意図)をまとめあげたものがストーリーなのです。



ストーリーのつくりかた

かつて手がけたある書店の児童書コーナーを例に取ってみましょう。
ここでは、大きさが異なる丸型照明器具をアトランダムに配置しています。一見しただけでは何の変哲もないプランです。しかし、このような照明プランになったのには利用者に配慮した論理的な根拠とストーリーがあるのです。

児童書の対象は、幼児から小学校低学年くらいになりますでしょうか。殊に幼児ですと、大人のように立ったまま本を試読するようなことはありませんよね。所構わずペタンと座り込み、床に絵本を広げて読むお子さんもいるでしょう。熱中すると、本の上に覆いかぶさるようにして読むことだってありますよね。そうなると、絵本の上にお子さんの影ができることになります。

お店での滞在時間は知れたものです。だから、お家での読書環境ほどシビアに考える必要はないのかもしれません。しかし、影になったところで絵や文字を読むことは、お子さんの目の健康を考慮すればあまり好ましいことではありません。

そこで、この児童書コーナーのどの場所であっても、床の上に置いた本に覆いかぶさったとしても影が出来ない光の状態にすることを考え、そのようになる照明環境を設計しました。このコーナーの照明コンセプトでは、

「小さなお子さんの読書に最良の照明環境のもと、親御さんも安心してこの場でお子さんに自由に本選びをさせてあげられるような売り場にしましょう」

という提案をしたのです。このご提案にオーナー様よりご理解とご賛同をいただき、施工されたのがこの空間です。実際にこの売り場中を這いまわって(!)チェックしましたが、自分の影で暗くなること無く本を読むことが出来ました。
(この照明プランにはあと二つ“秘密”があるのですが、それは講義の時にお話ししますね。)



この講座をつくった理由

照明デザインというと、とかく、視覚で捉えられる光の状態ばかりに意識が向けられがちです。
空間やインテリアのある部分を印象的に照らすとか、特徴的な意匠の照明器具とか…。
クライアント様はじめ一般の方々であれば、それも致し方無いことです。
しかし、私達、照明のプロフェッショナルが同じ視点だけで照明デザインを捉えていてはいけないと考えています。

照明のプロフェッショナルは、目に見えている光の状態はもちろんのこと、目では直接見えない光の状態を、専門知識を駆使してデザインすることが大切な使命なのではないでしょうか。
さらに、その目に見えない光の状態を、どなたにでもご理解いただけるようにお伝えするスキルも必要です。
このようなプロフェッショナルな空間照明デザイナーになりたいという方のために、この講座をつくりました。



この講座の特徴

講師はドイツのランプメーカーOSRAM(オスラム)社に勤務し、照明デザインを学びました。
日本では、照明計画を照明器具メーカーが行うことが多いので不思議に思われるかもしれません。
しかし、OSRAM社には
『我々が販売しているものは“光”である。ランプはそのパッケージにすぎない。
故に、ランプメーカーである我々こそが“光”の効果や使い方を利用者に提案する役割を担うべきなのだ。』
という明確な理念があります。
その理念から、「照明デザインを光から発想し、光で空間を構築する」手法が確立されているのです。

この手法で照明デザインを行うためには、まず、光の本質を熟知していなければなりません。
さらに、照明環境を創造するためには、人間、技術、建築やデザインなど、光と関わる様々な事柄との関連性が会得できていなければなりません。(知っている程度では実務では役に立ちません)

講師は、照明の仕事を始めた頃(30年位前)から、光の本質を説き、その光が環境(空間)にどのように関わっているかを記した書籍を求めてきましたが、残念ながら未だにそのようなものは存在しません。
そこで一念発起し、これまでの実務を通じて得てきた知識とOSRAM社で学んだ方法論を、コツコツと体系化し、まとめてきました。
それが、この『光の教室』の基になっています。
光の本質を実務に則して学習し、「照明デザインを光から発想し、光で空間を構築する」方法を学ぶことができるのがこの講座なのです。

*OSRAM社は、世界2大ランプメーカーの1社です。(もう1社はフィリップス社)

LinkIcon講師プロフィールはこちら


もしも、現在あなたが照明デザインのお仕事をしていて、このどれか一つにでも当てはまるとしたら、この講座はとてもお役に立つものになるでしょう。

 □ 照明プランは施設形態や業態ごとのパターン(型)があると考えている
 □ 照明プランに取り掛かると、まず照明器具のカタログを開く
 □ プレゼンテーションの主な内容は選んだ照明器具とその配置、平均照度の説明
 □ 照明プランとは配灯図や照度分布図、CGを作成することである



カリキュラム 

空間照明デザイナーコースのカリキュラムは、2部構成です。

step 1 空間照明デザイン理論 レクチャー
空間照明デザインは、ひとつひとつの光に意味と役割を与えて空間を構築することです。そのためには論理的で緻密な思考を積み重ねてゆかなければなりません。ここでは、空間照明デザインをする際にどのように空間の光の意味付けを行ってゆくかという考え方、その考えを具現化するスキルを身につけてゆきます。
さらに、構築した照明環境は適切に説明できなければなりません。光の意味と価値を相手が理解できるように伝えるテクニックも同時に学びます。

 第1回  照明理論に基づいた照明デザインとはどのようなものか
 第2回  照明デザインのプロセス
 第3回  照明提案テクニック/今後の方針に関するオリエンテーション


step 2 空間照明デザイン理論 実践トレーニング
空間照明デザインの実践的な演習を行います。
尚、この演習は個別指導となります。