光の教室

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照明デザインセミナー
―2019年8月3日 開講します―


照明デザインを行うために必要な知識とスキルを学ぶ講座です。



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こんにちは、
空間照明デザインと照明コンサルティングの事務所
at light laboratory 代表の立川敦子です。

はじめに少し私のプロフィールを紹介させてください。
私は大学で照明工学を学び、卒業後はドイツのランプメーカーOSRAM(オスラム)社に入社しました。
ここでは一般照明ばかりでなく様々な産業、用途のランプを扱っており、仕事を通じて、光とは何かということから光の活用、応用技術など、『光』を徹底的に学ぶこととなりました。
またこの間、OSRAM社の照明デザイン事業を日本で展開することになり、
「光から発想し、光で空間を構築する照明デザインメソッド」
を学び、数々のプロジェクトで実践してまいりました。
その後2002年2月に独立し当事務所を設立、現在に至っています。

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このセミナーを企画した理由

照明デザインでは何を目的に、どのようなことを行うのでしょうか?

・素敵な照明器具を選んでレイアウトすること
・スタイリッシュな雰囲気の(照明)空間に仕上げること
このような事柄を思い浮かべられる方が大多数かもしれません。

もちろん、これらも照明デザインの一部、
最終的には内装に合ったデザインの照明器具を選び、空間の雰囲気を整えてゆきます。

でも、照明デザインの本質的な目的は、そのような表層的な事柄だけではないのです。


それでは、照明デザインの目的とは一体何でしょうか。

それは、
・その空間がどのような場所なのか
・何が行われるのか
・どのような人が滞在するのか
といったその場の目的、用途に相応しい光の状態を創造してゆくこと。

そのために、
・光の性質や振る舞い
・物の見え方、脳での認識の仕方
・雰囲気による心理状態
・色再現の分析、色の見え方や感じ方
・照明システムの技術
・意匠性
など光の本質と人間の生理的、心理的な感覚(主に視覚)の調和を図り、空間の光の状態を整えてゆきます。

こうして、ひとつひとつの光に意味と役割を与え、
光で空間を構築してゆくことが照明デザインなのです。


ところが、ここで大きな問題があります。
それは、素材である光は直接目で見ることができないということ。

例えばお部屋の壁に当たっている光や、物に照射された光は認識できますよね。
でも、空間を漂う光は見えていますか?
ね、見えないでしょう!?

光は、
・空間に存在している状態では視覚的に捉えることができない
・物体に照射されたときに存在を認識することができる
という厄介な性質があるのです。

そのため、姿や形が見えない空間での光の状態をどのようにデザインしたものか、
何を拠り所にしたらよいのかと困惑されている方はとても多いのです。


最近、建築やインテリアに関わるお仕事をされている方、デザインに興味をお持ちの方々とお目にかかる機会が増えました。
私が照明デザインの仕事をしていると申し上げると皆さん口々に、
「照明いいですよね。」
「私も灯りが大好きです。」
と仰います。
こんな言葉を伺うといつも、照明好きな方が沢山いらっしゃるのだなぁ、と嬉しくなります。

しかし一方で、照明にも関わる仕事をしている方からは
「照明ってきちんと取り組もうとすると難しくて…」
「照明計画は、インテリアのテイストに合った照明器具を選ぶだけでよいのかしら。」
「もう一歩踏み込んだプランや提案をしたいのだけど、どうしたら良いのかわからない。」
というお悩みを伺うこともあるのです。

そんなお声を聞くうちに、
「照明デザインの方法や成り立ちを知っていただいたらお仕事がやりやすくなるのではないかしら」
「私の照明デザインの話が何かの参考になるかもしれない」
と思うようになりました。

こうして企画したのがこのセミナーです。


照明デザインの学び方

そもそも照明デザインとはどのようなことを行うのでしょうか。

おしゃれなデザインの照明器具をレイアウトすること?
光を使って空間を素敵に演出すること?

確かに、最終的にはその空間のイメージに合った照明器具を選び、美しく心地よい雰囲気の空間になるように仕上げます。
しかし、そこに行きつくまでのプロセスでは、決して、照明器具のデザインや演出効果のことばかりを考えているのではないのです。

照明デザインとは、光を構築することによって空間の照明環境を創ること。

・物を見るのに適切な光が照射されるか
・作業がしやすい照明環境になるか
・不要な影が現れないか

様々な事柄を考慮して、その場の目的や使用条件に適した光の状態を創り上げてゆくのです。

この際に必要となるのが、光そのものに関する知識と光をどのように扱うのかという考え方。

本講座では、このような『光の本質を基にした照明デザイン』のために必要な知識を総合的に知ることができるのです。


テキストや一般的なセミナーから本当の照明デザインを学ぶことができない理由

照明に興味を持たれている方とお目にかかる機会がふえてきました。
なかには、本格的に照明デザインを学びたいと仰る方もいらっしゃいます。
そのような方とお話をする度、照明デザインの基本的な考え方やメソッドはまだまだ知られていないということに気付かされてきました。

しかも、そのようなことを教えてくれるところも、記したものもないのが実情です。

例えば、私は、照明デザインを体系的に著した日本語の書籍や書物を見たことがありません。
照明デザインを扱ったものといえば、照明のテキストとか建築やインテリアの専門誌の特集、照明空間を扱った写真集などに掲載されている事例くらいではないでしょうか。

そこには、デザインの意図とかコンセプトの説明、配灯図、照明設備のデータ、時にはスケッチやパース、照度分布図などが添えられていることもあります。

照明デザインを学びたいと思っている方、あるいは実際に仕事を始められたばかりの方も、このような事例の数々を参考にしているのではないかと思います。

でも、果たして、そんな数カットの写真や数行の説明文、配灯図、照度分布を見ただけで、照明デザインができるようになるものでしょうか?

私は否だと考えます。

例えば、景観照明であれば、写真やちょっとした説明やデータでも参考になるはずです。
・天井や壁、床、あるいは設置されたオブジェとか木々などの、物へ照射する光
・紙や布などを透過する光
のように、視覚的に認識できる光を構成することで表現できる照明計画であれば、十分参考になることでしょう。

しかし、空間に存在する光の状態をデザインするのであれば、それは無理です。
なぜなら、そのような光は写真には写り込むことがありませんから。
実際には、人が行き交ったり、何かの行動・行為のために整えられるべき空間の光は写真には写りません。


そして、照明デザインを行うときに多くの方が戸惑われる、照明条件の決定。

・ここはどの程度の照度にしたらよいのか
・どんな光色が適しているか
・器具の選択は?
・器具のレイアウトはどのようにしようか など
これらに決まりはありません。
照明設計者が自ら決定してゆくことなのです。

しかし、
・何を基準に
・どうやって決めたら良いのか
は、様々な照明のテキストでも、一般的なセミナーでも
述べられることはありません。

一般的な照明テキストやセミナーから得られる情報は、せいぜいある事例で行われた結果。
でもそこから照明条件の決定プロセスを知ることは難しいですよね。

しかも、それをお手本にしようとしても、
建築や構造的な条件が違えばなかなか同じようにもゆきません。
それに、せっかく自分にご依頼いただいたのに、
何処かの『ものまね』のようになってしまうのも悔しいですよね。


照明デザインはパターンで創り出されるものではないのです

また、ときどき
「◯◯の照明デザインの仕方を教えて下さい」(◯◯には業種名が入ります)
というご質問をいただくことがあり、困惑します。
だって、業種によって決まった照明計画の方法とか、パターンのようなものは無いのですから。

思い出してみてください。
同じ業種のお店の照明プランはみんな同じでしたか?
お店、あるいはブランドによって違いますよね。

照明デザインはパターンで創り出されるものではないのです。

パターンにあてはめたり、どこかの事例を手本にして表面的に手法を模倣したところで、出来上がったプランは「ある条件におけるひとつの答え」を示したに過ぎません。
それでは本質的に照明をデザインしたことにはならないと思うのです。

ここに、私が照明デザインの基本的な考え方やメソッドをレクチャーしなければならないと考えた理由があります。

空間の目的や行動・行為のために最適化された光とはどのような状態なのか、
どのようにしてその状態を作るのか、
どのようにしてそれを伝えるのか。
そしてそれ以前に、何をもって最適な光とするのか、その根拠はどこから得るのか。
何を、どの順番で、どのような方法でまとめてゆけばよいのか。

照明デザインを志す多くの方が知りたいことは、このようなことではないでしょうか?
その鍵となるのが、光・照明に対する論理的な思考を基にした照明デザインのメソッドです。

このメソッドは、以前勤務していたドイツのランプメーカーOSRAM社で学んだものです。
それは「照明デザインを光から発想し、光で空間を構築する」という手法です。
きちんと身につけると、どのようなプロジェクトにも応用がきくのが特徴です。

私は、このメソッドを様々なプロジェクトで実践し、ブラッシュアップしてきました。

このメソッドに基づいて行ったデザインでは、
クライアント様からは
・デザインの意図が明確である
・光の状態がわかりやすい
というご評価をいただきます。

また、光の教室修了生や同業の仲間と開く勉強会で、プロジェクトの報告を行うと、
・思考のプロセスが明快
・設計が緻密
・光の影響を深く考察している
という評価、意見が寄せられます。

照明デザインを学びたい方、
自信を持って照明デザインを提案したいと考えている方、
照明デザインを志す全ての方に、この『照明デザインを光から発想し、光で空間を構築するメソッド』をお伝えしたい。
これが当講座を開発した理由であり、開催する目的なのです。


カリキュラム

照明デザインを行うために必要な知識とテクニックを3ステップで学びます。(全5回)

そして照明条件を自ら決定するためのスキルを身につけてゆきます。
建築やインテイリアなどの条件から、
・照明理論から導かれる根拠を基にその空間に適した照明状態をイメージ
・そこから照明の条件を決定してゆく
この思考プロセスを身につけるのが目標です。

ここで学ぶことは、商業施設やオフィスなどの施設や住宅など、どのようなプロジェクトの照明プランにでも応用できるスキルです。

*お一人お一人に細かい対応ができるようにするため、当講座は少人数制で講義を行なっています。


Step 1 光のインテリジェンス[第1回、第2回]
照明デザインを行うためには必須となる照明理論と知識を学びます。

それは、
・素材となる光そのものの性質、特性、振る舞い(第1回)
・人間はどのように光の情報を受けるのか(第2回)
ということ。

これらの事柄は、
・光にどのような価値を与えるのか
・光にどのような機能をもたせるのか
を決定するにあたり重要な要素になります。

この講座では、取り上げるそれぞれの理論が照明デザインにどのように活用されるか、関係しているのかをわかり易く、丁寧にお話ししています。
だから、必ず理解でき、身につくのです。


Step 2 照明デザインテクニック[第3回、第4回]
空間の照明環境を構築する方法を学びます。

まずは、様々な光の表情を学びます。
光は何かに照射されたとき、視覚的に捉えることができます。
その際、照射した光の状態や照らされたものの材質、形状、質感によって、光の表情は異なります。
このような光の表情の違いを、沢山のパターン、事例を用いながら分析します。

そして、光で空間を構築するための構想の仕方、考慮すべき要件を学びます。(第三回)

さらに、構想した光の状態にあわせて光源の条件や照明器具を決定する方法を学びます。
このとき、光源、照明器具の詳細なデータの読み方、分析の仕方ばかりでなく、光の質やタイプによって異なる適した使い方、使用箇所も実例とともにレクチャーします。

また、デザインワークを効率よく、かつ確実にすすめるためにプロが行っている照明計算のテクニックもお教えします。(第4回)


Step 3 エクスプレッションテクニック[第5回]
空間に存在する光は、直接目で見ることができません。
しかし、照明デザイナーはこの光の状態を計画し、それを的確に伝えるスキルが必要です。

まずは、光のコンセプトの作り方を学びます。
・どのようにして光に意味や想いを込めたら良いのか
・何を手がかりにコンセプトをつくってゆくのか
を考えます。

そして、光の伝え方を学習します。
照明計画では、配灯図面や照度分布図、CGなどを制作します。
しかしこれらは空間の光の状態を表したものではありません。
ですから、これらを見せたところでお客様には照明デザインの意図や価値を正確に伝えることはできないのです。

ここで必要となるのが、光の状態を言葉で表現するスキルです。
論理的、かつ客観的な表現で、相手にわかるように光の状態を伝える。
この方法をレクチャーします。


*さらに、修了後に希望者には照明デザインサポートプログラムがあります。
詳細は講座のなかでご説明します。

補講制度

急な打合せや用事など、予定変更を余儀なくされることがあります。
そこで、第一線で活躍する社会人の方々にも安心して受講していただけるよう、補講制度があります。
これは、やむを得ない理由で講座を欠席してしまっても、後日その補講を受けることができる制度です。
都合がつかずに講義が抜けてしまうという心配はありません。
安心してご受講ください。

無期限でサポートします

フォロー体制も万全です。
講座が終了してからも、いつでも講義内容についての質問をしていただくことができます。
「人間は忘却の生き物」 といわれます。
だから、復習しているときに「あれっ、どういうことだったかしら…?」ということがあっても不思議はないのです。
このように「分からなくなった」あるいは「忘れてしまった」ことがあったら放置してはいけません。
必ずすぐに質問をして、その場でしっかりと理解してください。
あなたが照明理論を確実に身につけるまで、無期限で完全にサポートいたします。


テキスト

メインテキストとテキストノート、二本立ての教材構成で講座を進めてまいります。

新・照明教室 照明の基礎知識 中級編

R0010576.JPG照明学会 普及部が発行している照明学習の参考書です。
照明理論や照明設計の基礎など、実務に必要な照明知識がコンパクトにまとめられています。

テキストノート

R0010568.JPGオリジナルで編集されたテキストノートです。
メインテキストの記述だけでは理解が難しいようなことや、補足しておきたいような事柄、講師が実務で得た知識やスキルをわかりやすく綴っています。

講座概要


■日程
2019年 8月 3日(土) 第1回 光の本質(光の性質/測光量/光による色彩表現)
2019年 8月24日(土) 第2回 光と人の関係(視覚機能/照明心理)
2019年 9月 7日(土) 第3回 空間を光で構築する方法(光の表情を知る/光のイメージの仕方)
2019年 9月21日(土) 第4回 照明プラン術・プロフェッショナルテクニック(光源と器具の選択/レイアウトテクニック/効率よくデザインを行うための照明計算術)
2019年10月 5日(土) 第5回 コンセプトメイキング・光の伝え方(照明コンセプトの作り方/光の状態を言葉で表現する)

 *各回とも 14:00~17:00(3時間)です。

社会情勢等により、やむを得ずスケジュールの変更を余儀なくされる場合があります。予めご了承ください。

■定員
 各回 6名(先着順)


■受講料
 105,000円(税別)
 *受講料には資料および教材費が含まれます。
 *お申込み後に事務局からお送りする「受講料お振込みのご案内」送信日より7営業日以内にお振込みをお願いいたします。


■会場
 東京都内 (お申し込み頂いた方にお知らせいたします)


■講師
 立川 敦子 (at light laboratory 代表)
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